都内に築40年以上のマンション1室を所有しているのですが、
少し前から建替え議案が出ています。
不動産業を20年以上やっておりますが、所有者としては初めての経験です。
今後、こういった古い建物の老朽化による建替えについては社会問題化すると思いますのでこちらで随時レポートしてみます。
マンションの建替えは5分の4以上の建替え決議で実施される
区分所有のマンション(いわゆる分譲マンション)の場合、多数の所有者からなる集合体です。
分譲マンションにお住まいの場合はご存知だと思いますが、マンションの運営を決める役員を所有者から選抜してマンションの維持管理についての協議を行い決定しています。
管理規約の設定・改正・廃止、共用部分の変更等は4分の3以上の合意が必要になるなど、区分所有法という法律で決まっているのですが、建替えに関しては全体の5分の4以上の同意が必要になるのでハードルが高いのです。
建替えってお金払うの?
毎月、マンションの管理組合に管理費と修繕積立金を払っていますが、
積み立てたその金額で建替えが出来るかというと、ほとんどのケースで大幅に不足となります。
所有者の本音として「建て替えても良いが追加でお金を払いたくない」という意見が多いと思います。
そこで、東京都では「マンション建替法容積率許可要綱」を策定し容積率を緩和することを可能としています。
例えば、もともと10階建てのマンションを15階建てにして、
部屋数を増やしてから増加した部屋を分譲して建替え費用に充てるという考え方です。
所有者も手出しのお金が無ければ、新築マンションに住み替えられるので合意を得やすくなったと言えますね。
建替えは難しい
とは言え、建替えは非常にハードルが高く2019年のいまのところ全国でも下記くらいしか実例が無いのです。
個人的には、手出しで1000万円くらであれば建替えには賛成したいと考えています。
古いマンションを購入して、建て替え後に売却とか一度体験してみたいですしね。
・上目黒小川坂ハイツ – 全国初の建替え 1986年度日経優秀製品賞受賞
・アトラス諏訪町レジデンス – 1957年竣工の諏訪町住宅の建替え。マンション建替法による組合施行の全国第一号物件
・シャトー三田 – 黒川建設が1964年に建設した高級マンションを建て替え
・ブリリア多摩ニュータウン – 諏訪2丁目住宅640戸を1249戸に建替え。
・横濱紅葉坂レジデンス – 花咲団地を建て替えて分譲。 第56回神奈川建築コンクール住宅部門優秀賞受賞。
・ザ・パークハウス上野 – 最後の同潤会アパート上野下アパートの建替え。
・ザ・パークハウス早稲田 – 隣接する国有地を取得し一体化して建て替えることで経済的事情を解消した事例。
・桜上水ガーデンズ – 1965年竣工の桜上水団地の建替え。404戸から878戸の大規模マンションに再生。
・ザ・レジデンス稲毛台 – 旧日本住宅公団による初の分譲集合住宅をマンションに建替え
・若潮ハイツマンション建替え事業 – 第28回国民体育大会の選手村として建設された500戸を1000戸のマンションに建替え。■超高層マンションへの建替え
・アトラスタワー六本木 – 全国初の共同建て替え
・プラウドタワー白金台 – 単独建替えから共同建て替えに方針転換し34階建てに建替えられた。
・高輪一丁目共同建替計画 – 共同建て替え。35階建ての超高層マンションに建替え、建て替えられたマンションとしては最高層。
・パークコート乃木坂ザタワー – 1978年竣工の乃木坂ナショナルコートを2017年に建替え。
・THE COURT 神宮外苑 – 1964年東京オリンピックに合わせて建設された外苑ハウスの建替え
今回は建替えの当事者となったので随時こちらでレポートしてみます